バンタンはKADOKAWA(東証プライム上場)
のグループ会社です。
これからの展望に続いて、どうやってエンジニアとして成長していくのか?についてお話いただきました。
まだ勉強を始めたばかりの学生にも、経験のある学生にとっても有意義なお話です。
単価を上げるためにはエンジニア業界を登らないといけないので「どう登るか?(高めていくか)」という戦略は考えたほうがいいです。
これは大きく分けると
「スタートアップ型か」
「大企業型か」
の2通りあると思います。
【スタートアップ型】
ここに向いているのは、Firebaseを用いて『アプリもWEBサイトもひとりで作れる人』。
スタートアップはこういう何でもできるスーパーマンみたいな人が一人いたらすごく嬉しいんですね。広く浅くみたいな。
こういう人はここで自分を伸ばしていくという手段がいいと思います。
【大企業型】
ここに向いているのは、設計やテストが超得意みたいな『何か一つに飛び抜けた人』。
大企業はスーパーマンみたいな人は必要なくて、何かに飛び抜けた人が欲しくて、そこにめちゃくちゃお金を出します。
なのでxRや機械学習などの専門分野が超強い人にはオススメです。
どちらのタイプにもそれぞれに良さがあるので、自分がどんなキャリアを築きたいかに合わせて就職を目指す企業を選ぶと良いと思います。
たまにTwitterでタイプの違いでマウントを取り合うような場面も見かけますけど、僕はどちらも価値が高いのでどっちもいいと思います。
というか、ケンカしない方がいいと思います(笑)
「狭く深く学ぶのか、浅く広く学ぶのか」というのも戦略的にすごく重要な要素です。
【狭く深くの人】
「例えばiOSのMetalやARKitや機械学習が超できるみたいな人。
こういうニッチな部分が需要とハマるとめちゃくちゃ価値が上がりますが、デメリットとしては勉強した部分が外れることがあるということです。」
【浅く広くの人】
「スタートアップ型までいかなくてもAWS、GCP、DeVOpsなど幅広くいける人です。
こういう人は社内で再配置できるので、これはこれで価値が高くなります。」
こういう風に『自分をどっちで伸ばすか』と戦略を考えながら勉強することが大切ですね。
続いてエンジニアとしてどう価値を高く見せるのか?
についてお話いただきました。フリーランスでも就職でもどちらでも必要なお話です。
「GitHubやQiita、などにアウトプットをたくさんすることで、自分の実力を高く見せられるみたいなところがあると思っています。
これは、いわば実際の実力よりも高く見せる『錯覚資産』です。この錯覚資産がエンジニアにはすごく重要です。」
錯覚資産…普段耳にすることはあまりないですが、非常に重要ですね。
「というのは他の仕事と違ってエンジニアはネット上での存在感が評価に直結するからです。
実際採用のときは絶対にネット上の活動が見られています。
ネット上の個人的な活動が給料に直結する…エンジニアという仕事の面白いところだと思ってます。」
自分で作って満足ではなくて、日頃からアウトプットをすることで
それがセルフブランディングに繋がっていくんですね。
じゃあどこでアウトプットするのか?
【GitHub】
「僕はネット上の活動としてはGitHubを一時期めちゃくちゃ頑張ってました。」
「自分を高めようと頑張っていた時にやってたんですけど、意図的にスターを稼ごうと思い
友達に一斉にいいねしてもらうことで、一瞬トレンドに載せて外国人にも興味を持ってもらい、そこで外国人からのいいねを狙いました。
あとはパッと見のすごそうなサムネを付けたり、英語でめっちゃ文章を書いて英語できる感を出したりしました。
GitHubはコードで実力が証明できますし、グローバルに評価される可能性があるので海外からDMで仕事を頼まれたりするので武器になると思います。」
【Qiita】
「Qiitaはいいね数で箔がつくので、同じ技術を紹介していてもタイトルの付け方などを工夫してバズらせようという意識を持つことが大切です。」
【Zenn】
「Zennは去年リリースされたサービスで「打倒Qiita」みたいなサービスですが、Qiitaより技術を突き詰めているゴリゴリのエンジニアにも受け入れられている感じがあります。
Quiitaだけだとバズり目的だと思われそうですけど、Zennでも書くことで分かってる感を出すことができると思います。」
「こういう場所で勉強したことを少しずつ記事やコードを公開していく、アウトプットしてくことはかなりオススメです。」
【YouTuberはやるべき?】
「GItHubとかに比べると…って感じです。
YouTuberは初心者への認知は広がるんですけど。
エンジニアコミュニティ内では評価されにくいので、「エンジニアとして登る」という面ではあまり意味がないかなと思います。
どっちかっていうとインフルエンサーに寄っちゃうので、エンジニアとしてはベクトルが変わってしまう印象なので、YouTuberは我慢した方がいいかな。」
【本は書くべき?】
本は書くとエンジニア界では箔がつくので目指したいところです。
が、コスパは良くないです。
素人でもエンジニア界でもすごいと評価されるので価値が上昇するけど、執筆が1年がかりになります。
出版社の人に営業をかけるエンジニアは少ないので、営業をかけることで書こうと思えば意外と誰でもかけるという面もあります。
僕も半年ぐらい頑張って書いていたんですけど、YouTuberとか始めて忙しくなったので諦めてしまいました。
【勉強会は出るべき?】
「Connpassとかで検索すると、勉強会がたくさんあるので参加してみるのもいいと思います。
あと参加だけじゃなくて、登壇を目指すのもいいと思います。
ただ、コロナ前は登壇すると自分の存在感が発揮できてTwitterのフォロワーが増えたりするというプラス面があったけど、今は少し盛り上がりに欠けてしまったかなという印象です。
ですが、まだ盛り上がっているオンラインの勉強会もあるし意外と出やすいので、オンラインでも良いから大きいイベントでの登壇を目指すと良いと思います。」
続いては勉強方法の話題に移り…
「エンジニアはどんなに錯覚資産を高めても、結局は勉強しないと価値が上昇しないので、ちょっとだけ勉強法を紹介します。」
「勉強法っていうと具体的には
・プログラミングスクール
・本で独学
・動画教材で独学
・メンターをつける
とかが思いつくかなと思います。」
ただ、いちばん重要なのは、
『何かを作ること』
だと思っています。
エンジニアは『作るのが仕事です』
「だからざっくり学習して、何かを作ってみる(を2回ぐらい繰り返す)。そして、コミュ力つけてそれを仕事にしてみる(ビジネスしてみる)
というサイクルを回すのがエンジニアとして登る1番の近道だと思います。」
エンジニアを目指して勉強したその先についてもお話いただきました。
「エンジニアのその先(目指すところ)にどのようなものがあるかというと、起業、CTO、インフルエンサーなどがあると思います。
それぞれの特徴をちょっと説明しますね。」
1.起業
「非エンジニアがIT起業したときには、優秀なエンジニアが見分けられなくて時間を無駄するといった問題が起きますが、
エンジニア社長はこれを回避できます。
あとはいいエンジニアに外注するのはコストがかかりすぎるので、自分できるというのは金銭的にも時間的にもメリットが大きいと思います。
ただ、エンジニアが起業すると稼いだものが会社のお金になるのでフリーよりも収入が下がる場合があります。
起業の一番の魅力は、億万長者になれる夢があるところですね。」
2.企業の技術責任者であるCTOやエンジニア組織の責任者であるVPoE
「これは誰かと一緒に起業するか、起業直後にジョインするという方法があります。
起業した早いうちにジョインすることで、エンジニア機能の責任者『CTO』も目指せますし、エンジニア取りまとめる『VPoE』にもなれます。
技術はあるけどアイディアを出すのは苦手だったり、社長に向いてないけど起業には興味ある方なんかにオススメです。」
3.技術顧問
「特定の技術領域を極めて、外から企業の技術面のアドバイザー的な立ち位置になるというキャリアです。
何社も技術顧問として関わっても億万長者になれないですが、僕は「顧問」っていう言葉がかっこいいと思っています(笑)」
4.インフルエンサー
「インフルエンサーのメリットはYouTuberに会いやすいこと(笑)
違う分野でもエンジニア系YouTuberは面白がって会ってもらえます。
あとYouTubeやTwitterなどで初心者プログラマーを意識して発信すると、教育ビジネスにも展開しやすいです。」
「どんな将来を歩むにしろ、エンジニアリングを学んでおいて損はないと思います。」
【Q.いきなりフリーになってもいいですか?】
「人脈がない場合は仕事を得るときにエージェントを使うしかありません。
エージェントに登録する場合『株式会社◯◯の元社員』など経歴があるほうが比較的強いので、一度就職して3~4年後に独立するのもいいと思います。
ただ、そのままフリーランスになる道も否定はしません。」
【Q.フリーランスを続けるのは難しいですか?】
「自由でしたが、同僚はいないので孤独でした。
趣味を充実させるとか、Flutter大学とか、オンラインサロンに入るといいと思います。」
【Q.情報収集はどうしていますか?】
「YouTubeとTwitterがメインです。
本の要約チャンネルとかもあるので。」
「エンジニアになるのなら、学生のうちから、アプリ開発しちゃうのが近道だと思います。
仕事をしてしまうのが最速のキャリアの築き方だと思います」
と在校生にエールをいただき講演会は終了となりました。
在校生はKBOYさんが学生目線でお話してくれたからこそ、どのメッセージも「自分ごと」として捉えやすかったのではないでしょうか。
学生の皆さんには貴重な情報を今後のキャリア形成に活かして欲しいと思います。
KBOYさんこの度は講演会ありがとうございました!