就職活動をする上で欠かせないポートフォリオ。実績をアピールするための作品集で、自分をよく知ってもらうためには見せ方も大切な要素です。
KADOKAWAドワンゴ情報工科学院では、教育顧問でもある株式会社ドワンゴでCTO(最高技術責任者)を務める鈴木圭一さんを東京校にお迎えし、学生のポートフォリオの添削を行っていただきました。
今回はKADOKAWAドワンゴ情報工科学院の2年生4人が参加。名古屋校、大阪校から参加の2人はオンラインで、東京校の2人は会場で直接講評を受けます。
鈴木さんは4人が提出したポートフォリオや作品を事前にチェック。学生1人あたりにつき15分で講評を行いました。
『ポートフォリオの極意』
鈴木さんは学生のポートフォリオと作品の気になる箇所を指摘し、「なぜこのようにしたのか」と、意図を次々に質問します。返ってきた学生の答えに対し、採用する企業として、またコーディングのプロとして、業界の現状と照らし合わせながら実践的なアドバイスを行いました。
「SNSのアイコンにアニメや漫画のキャラクターを使用していると、権利意識が高くないような印象を受けてしまいます。
また、意味を理解せずに単語を使用したり、『なんとなく』でコードを書いたりすると、『あまり意味を考えずに動いてしまう人』と思われてしまい、採用をする側から見ると、ネガティブな材料になります。今、挙げたことは細かいことではありますが、こういった点にまで意識が向いていると、評価が上がると思います」
ポートフォリオと作品は、その人を表す鏡。技術があること、学ぶ姿勢があることは前提で「いかに意図を持って動けるか」が大切な要素なのですね。
『なにを意図して何を作るのか』
学生から「プログラミングで一番大切にしてほしいこと」を聞かれると、次のように答えました。
「僕個人の意見としては、概念を正しく捉えられないとプログラミングはできないと思います。例えば、自分ではない誰かが提示した要件に従ってプログラミングをするとします。その要件がぐちゃぐちゃだと、コードを書くのが難しいですよね。だから、長期的な視点を持ち、プログラミングの前段階で『何を作るのか』を整理できていることが大切です。そこに興味を持ち、必要があれば提案までする。それができると、プログラミング作業がやりやすくなるだけでなく、その成果物を使う人にとってもいいものが出来上がりますよね」
終始穏やかな口調と笑顔で、身振り手振りを入れつつ、真摯に学生と向き合いました。講評を受けている学生も、それを聞いている学生も熱心に耳を傾け、メモを取る様子が見られました。
『ポートフォリオの重要性』
参加した学生は講評を受け、どのように感じたのでしょうか?
東京校の学生の1人に緊張をしたかどうかを聞くと、
「最初に自己紹介をするときに、噛んだり、言いたいことを忘れたりするくらい緊張しました。でも、鈴木さんが優しい方だったので、少し落ち着くことができて、その後はしっかり受け答えができたと思います」と、リラックスした表情を見せてくれました。
なかなかの評価を得られたこちらの学生、今回のイベントに参加したことについてはどう感じたのでしょうか。「プロ目線でポートフォリオを確認してもらえる機会はあまり多くないと思うので、とても貴重な体験でした。また、普段見ることがない名古屋校、大阪校の学生のポートフォリオからも刺激を受けましたね。将来、就職活動をする際に、今回の講評を役立てられると思います」
ポートフォリオが人目に触れたことで、多くの気付きを得た様子でした。
プロの目線に触れたことで、ポートフォリオと作品に磨きが掛かることを期待!
鈴木さんから人事として、また技術者としての目線でポートフォリオを講評してもらえたことで、それぞれの学生が自身のいい点、伸ばせる点に気付けた時間でした。
今回の経験を生かし、就職活動の際に存分に実力をアピールしてほしいですね!
<Profile>鈴木 圭一
KADOKAWAドワンゴ情報工科学院
教育顧問
株式会社ドワンゴ
ニコニコサービス開発本部CTO
1999年ドワンゴ入社。エンジニアとしてネットワークゲームのSDK開発や、着メロサイト基盤開発に従事。その後ニコニコの開発、ニコニコの各種サービス開発(niconico Android、RPGアツマール等)を経て、2019年にniconico事業本部(現ニコニコサービス
本部)CTOに就任し、ニコニコの開発全体を推進している。
在学中から業界の最前線を知ることができ、業界のプロフェッショナルから指導を受けられるのも、KADOKAWAドワンゴ情報工学院で学ぶ魅力のひとつ!
